2024年11月17日

ターン制コマンドRPGのゆくえ

最近遊んだゲームで めずらしくコマンドRPGが続きました。
『Wizardry Variants Daphne』とリメイク版『ドラクエ3』。

ダフネは ものすごい面白くて ゲーム設計の良さも どこかで語りたいのですが
それは置いておいて……
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ダフネのほうは CMでも死にゲーみたいな煽りしてますが 難易度たかめ。
油断するとすぐ死んでしまうのですが キャラロストの可能性もあるため
1戦1戦で それなりに緊張感があるという設計。
うまいなと思ったのが 通常攻撃では敵を倒しにくくて
ザコ戦でも適度に 技や魔法を使っていかないといけないんですよね。
そうすると すぐにMPが枯渇するので「退くか進むか」を 常に考えさせてくる。
1フロアを進めるのにも時間かかるので マップ数もそれなりに絞れている。(たぶん)

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いっぽうのドラクエ3は 中盤までの感触ではやや簡単め というよりは大味な感じ。
というのも MPが潤沢なので 範囲呪文連発で敵を一掃していけちゃうんですね。
しかも 今回はレベルアップで全快するので ダンジョン攻略中にMPがなくなることがなくて
過去ドラクエであった「退くか進むか」で 悩むことは少ないという印象。
このあたり 特技追加の影響とかもあると思いますが、
いつもそれなりに悩ましかったドラクエ感は減っていて 惜しいところ。

時代の流れで簡単めにしたのかもしれないけど 実際どうなんでしょうか。
例えば 世界樹なんかは ちょっとシビアなコマンドRPGだけど 受け入れられているし。
ターン制コマンドRPGって「退屈」とか「時代遅れ」と云われることもあるけど
個人的には ちょっと難しめのほうがいいんじゃないかと思うんですよね。
戦術的に悩む必要があれば 退屈って感触にはならないと思いますし。

JRPG育ちなので 大昔はコマンドRPG作ったりしてましたが(ツクールで)
最近はめっきりなので また機会あれば作りたいですねぇ。
 
posted by ひづめ at 18:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲームの話題

2024年10月20日

後味の悪かった映画

ここ数年観た映画で「これは後味が悪い……」と思った3本を ご紹介。
オチは反転で読めるけど 良かったら実際に観てくださいね。(後味悪いの観たいか……?)
しかしこういうの 映画館で観たらどんな気持ちになるんじゃろ……

つぐない(2007年)
世界大戦前の近代貴族の話。長女役でキーラナイトレイが出てるけど、
主役は 小説家志望の次女のほう。(年代記なので役者は交代する)
次女は使用人を慕っていたが 長女と愛し合っていることを知り
嫉妬から「使用人が従姉妹を暴行した」と嘘をついた結果 使用人は冤罪で逮捕されてしまう。
やがて戦争が始まり 次女は野戦病院で 看護婦を務めながら 小説家を目指す。
使用人は 減刑を条件として危険な地に出征し 長女は彼が帰ってくるのを待っていた。
やがて 二人は再会するが……
(オチ)
そこで 次女の晩年に時間が一気に飛ぶ。
次女は小説家になるという夢を叶え 成功していたが 心残りがあった。
実はここまでの物語は 次女が書いた「つぐない」という自伝で、
実際には使用人は激戦地で死亡 長女は空襲で死に 再会などできていなかった。
自分の嘘のせいで 二人の仲を引き裂いたことを 後悔していたため、
病気で死ぬ前に せめて物語の中だけでも ふたりが幸せになるように と
ハッピーエンドに書き換えた自伝として 書いていたのだった……
なんや その自己満足!

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一命(2011年)
時代劇。江戸時代には 合戦で手柄を立てることができず
爪に火をともして生活する 貧乏武士も多かった。
ひもじい生活を続けて 生き恥を晒すくらいなら と切腹をしようにも
(作法に則った儀式をするための)お金すらない……
そこで武士たちは 武家に「華々しく切腹をさせてほしい」と申し出たのだが、
「武士の情け」として受ける相手も 手間がかかるだけ。
そこで武家は「死ぬことはない もう少し頑張れ」と いくらかの金を渡す。
これで手間を省け 武士も死なずに済む。win-winの関係といえた。
そうなると今度は 貧乏武士たちはそれを見越して
はなから金を貰えると見越しての狂言切腹が 流行り始めたのだ。
……と 前置きだけで めっちゃ長くなってしまった。
とにかく後味が悪い話で ついでに痛々しいです。
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グッド・ネイバー(2016年)
アメリカの高校生の二人組が「炎上ネタで注目されたい」と
近所にいる偏屈な老人の家にイタズラを仕掛け ドッキリを撮影する。
老人をからかう様子が すでに気分悪いのですが、
仕掛けたイタズラに対する老人の反応がおかしく 奇行といえるものだった。
老人は毎夜 仕掛けた盗撮カメラで映らない地下室にこもり 何かしている。
「死体でも隠してるんじゃね?」と ふたりは深夜に侵入するが、
老人に見つかったと思った直後 目の前で銃で頭を撃ちぬき 死んでしまった……
(オチ)
老人は実際に偏屈者であり 唯一愛してくれ 先立たれた妻にだけ 心を許していた。
老人ホームを薦められても 妻と暮らした家にいたいからと断るほどだった。
そして少年たちが仕掛けたイタズラは 偶然にも妻との想い出に触れるものだった。
老人は「妻が自分を呼んでいるのか……?」と 感じてしまっていたのだ。
そしてついに老人は「分かった、お前の元に行くよ」とばかりに 自殺してしまった。
というわけで この映画は「そうだったのね」という種明かしがあると同時に、
ところどころで 法廷シーンが挿入される という構成も巧みなんですね。
実際に 終盤まで老人の行動が あやしく描写されているため
「本当に殺人鬼で 少年たちが事件に巻き込まれたのか?」
「それとも 少年たちがやり過ぎて 事件になったか?」どちらか分からず注目するわけ。
そして最後 裁判の結果が出たあと 報道陣の前にさらされる少年二人組。
さすがに反省したか……?と思いきや 不敵な笑みを浮かべる。
そう 当初の「炎上してでも注目されたい」という目的が 達成されたからだ。
老人にとってはもしかしたら 良かったかもしれないけど 胸糞悪いオチじゃろ……

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posted by ひづめ at 02:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍/映画

2024年04月07日

新作『カザクラ風魔伝』公開

新作『カザクラ風魔伝』を ようやっと公開しました。
詳しくは公式ページから どうぞ……
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今回も いつものようにイラストレーターさんやら作曲やら 依頼していて
趣味にしては高すぎるコストが掛かっているんですが
色々考えた末に 無料公開にしました。

前作から6年たって 環境も変わって 巷に無料で遊べるゲームが溢れてるのに
この地味なゲームを買ってくれる人は 少ないだろうから
それなら 少しでも遊んでくれる人が多いほうがいいな という感じです。
今回は 制作中に問題が多くて 時間がかかりすぎ思うように
作り切れなかったので……というのもあります。

まぁ寄付ができる状態になっておりますし もし「また次回作つくってほしい」と
思われる方がいれば していただけると やる気が出るかも……しれません。
過去作に興味を持ってくれるだけでも 嬉しいですね。
今作には 白桜ガールズファイトのご先祖様とか 何人か出てきたりします。

反省点といえば ガールズファイトでランダム要素を多くし過ぎたせいで
設計ミスがおこり 次のPirates7ではきっちりバランス調整とれるようにしたのに
また運の要素が多いゲームになっちゃって 思うような調整ができてないという。
いやー やはりゲーム制作は難しいものですね。
 
posted by ひづめ at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 『カザクラ風魔伝』

2024年02月24日

『まんけん!』無料公開化のお知らせ

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2010年公開の『まんけん!』ですが、このたび
〇配信後10数年が経過し、新規の売り上げがほぼ無くなったこと
〇英語版(Cherry Tree High Comedy Club)の販売が終了したこと
〇ツクールXP製ということを鑑みて今後のサポートが難しくなること
といった理由から無料公開作品に移行させていただきました。

今後はこちらの海外のインディゲームの販売サイトでDLできるようになります。
(無料DLですが、一応寄付の受付はしています)
DL販売を継続していたのはDLsiteさんだけですが、そちらでも引き続き落とせるかと思います。
またゲームに特典としてついていた設定資料集等はサイトから直接見れるようにしました。

まんけんには続編のノベルゲームがあって(あいまいガールズ)
そっちはどうするか考え中……
 
posted by ひづめ at 21:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 『まんけん!』

2024年02月18日

幻想水滸伝の想い出…

先日、幻想水滸伝の原作者であり、ディレクターと脚本を務めた村山吉隆さんが
お亡くなりになったという信じ難いニュースを聞いてショックを隠せませんでした。

以前これまで遊んできたゲーム本数を数えたことがあって、おおよそ400〜500くらいで
たくさんの思い出深いゲームに出会ってきたわけですが、
ゲームというよりは、その世界観に最ものめり込んだのが幻想水滸伝シリーズでした。

1作めとの出会いは、当時のゲーム雑誌の紹介記事ですね。
PSが出たあと3Dゲームが出始めて、ゲームの幅も広がったのか、
その可能性を探るように変わった設計のゲームが出て来た中で、
いわゆるドラクエ的なオーソドックスなRPGだったので逆に珍しいなと注目したのですね。
それでいて仲間が108人いるとかミニゲームが色々入ってるとか、
JRPGの正統進化らさも感じていました。

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それで遊んでみたら、見事にのめり込んだわけです。
いわゆるドラクエやFFは世界全体が舞台で「大ボスを倒すぞ!」という冒険感溢れるものが
多かったんですが、幻想水滸伝シリーズで舞台となるのは、
広い世界の中のあくまで一国や一地方、それも長い歴史がある中のとある戦争なんですね。
それが逆に「これはゲームだけど、世界は広がっていて、その中のひとつの事件を
体験しているに過ぎない」と思わせてくれて、スケールを感じさせてくれたわけです。
今でいうナラティブってことかもしれません。
登場人物も100人以上いるけど、空気のようなキャラはほとんどいない。
普通のRPGならクリアしてみんなハッピーエンド、冒険はこれで終わったという感じですが
このゲームの登場人物たちにとってはあくまで人生のなかの一時期でしかなく、
そもそも戦争を生き抜くことが目標でもなく、かたき討ちの相手を探す旅の中で
ただ巻き込まれただけであったりして、これからも彼らの人生は続くのだろうと
感じさせてくれる…そういう壮大さ、世界観の広がりに魅了されたわけです。

1の時点でとても面白かったんですが、2がまた凄かった。
ストーリーの完成度もそうですが、そもそもRPGってナンバリングされていても
前作と直接関係のないものが多かったんですよね。
それが幻想水滸伝2は1の3年後で隣の国の話なので、
成長した前作の人物が出てくるたび「うおおおお!」と興奮ものだったわけですよ。

それで当時は手作り感溢れるホームページを作られてたインターネット黎明期。
特定のゲームやマンガのファンが自然と集まってきて、
掲示板やチャットで語り合ったりしてたんですね。
幻水のファンサイトもちょこちょこあって、108星それぞれのファンサイトがあったのですが、
自分もそのうちひとつを運営してました。(誰のかをいうとバレるので秘密!)
なのでそのキャラが好きな人らと集まって世界観について語り合ったりとか楽しかったですねぇ。

そこまでハマったゲームなので、当然クリエイターにも興味がわいて。
当時はまだまだネットに情報も少なく、クリエイターがあまりメディアに
出ない感じだったのですが、インタビューなんかが載ってれば貪るように読んで。
村山さんがゲームショーのコナミブースでトークショーすると当日に知って
バイトを早引けして見にいったりもしましたっけ…(ひどい)

自分がゲーム業界に入るころには、3作め途中の謎の降板&コナミ退社されていたので
追いかけようもなかったのですが、ツキヨニサラバとか転生學園月光録とかマンガ原作とか
村山さんが関わったゲームが出ればチェックを続けていました。
近年の百英雄伝で本格復帰と聞いてとても楽しみにしていたところなのに…
業界にいればどこかでお近づきになれるんじゃないか…なんて
密かに思っていましたが、叶わぬ夢になってしまいました。

やっぱりゲームを作るうえでのひとつの目標でしたし、意気消沈もしましたが…
自分も開発者の端くれとして、まだまだ作り続けていかなくちゃいけませんね。
それが自分をクリエイターにさせてくれた作品と作者への恩返しかなと思います。
村山吉隆さんさんのご冥福をお祈りいたします。

la passione commuove la storia, la sabbia del tempo scorre...

posted by ひづめ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム制作

2024年02月10日

没案紹介シリーズ・その2

前回に続いてボツ企画紹介シリーズ。

今のカザクラ風魔伝を作り始める前にいくつか案を考えていて、
前作の「P7」でシミュレーションを作ったのに1本だけというのも勿体ないと考えていて
「バトルパート(SLG)+探索パート」で何か作れないかというのがありました。

もともと最初に作った「まんけん」というタイトルが
某ペ〇ソナの戦闘要素抜き、というコンセプトだったので、
「P7のSLG要素を付け足せば完全版になるのでは?」ということですね。

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とはいえ「まんけん」はツクールXP製、「P7」はUnity製なので
合体させるにも簡単ではないのですが、ある程度素材も流用できそうだと。

流用前提なので、世界観も「まんけん(+ガールズファイト)」に関係してて
青乃や九州子が白桜町で妖怪退治する話でした。
ガールズファイトのラストで急に妖怪退治になりますが、その後始末ですね。
仮タイトルは「学園マガトキ」。
ペ〇ソナのように昼、夕方は学校や町で探索してパラメータを上げ、
夜は戦闘でシミュレーションで妖怪退治、というゲームサイクルでした。
なんでこれにしなかったかというと、結局なんだかんだで新規素材が
色々必要になりそうで、それなら新作のほうがいいかな…?って感じでした。
没案というか、機会があればやりたいのですけどね。
 
posted by ひづめ at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム制作