オチは反転で読めるけど 良かったら実際に観てくださいね。(後味悪いの観たいか……?)
しかしこういうの 映画館で観たらどんな気持ちになるんじゃろ……
『つぐない』(2007年)
世界大戦前の近代貴族の話。長女役でキーラナイトレイが出てるけど、
主役は 小説家志望の次女のほう。(年代記なので役者は交代する)
次女は使用人を慕っていたが 長女と愛し合っていることを知り
嫉妬から「使用人が従姉妹を暴行した」と嘘をついた結果 使用人は冤罪で逮捕されてしまう。
やがて戦争が始まり 次女は野戦病院で 看護婦を務めながら 小説家を目指す。
使用人は 減刑を条件として危険な地に出征し 長女は彼が帰ってくるのを待っていた。
やがて 二人は再会するが……
(オチ)
そこで 次女の晩年に時間が一気に飛ぶ。
次女は小説家になるという夢を叶え 成功していたが 心残りがあった。
実はここまでの物語は 次女が書いた「つぐない」という自伝で、
実際には使用人は激戦地で死亡 長女は空襲で死に 再会などできていなかった。
自分の嘘のせいで 二人の仲を引き裂いたことを 後悔していたため、
病気で死ぬ前に せめて物語の中だけでも ふたりが幸せになるように と
ハッピーエンドに書き換えた自伝として 書いていたのだった……
なんや その自己満足!

『一命』(2011年)
時代劇。江戸時代には 合戦で手柄を立てることができず
爪に火をともして生活する 貧乏武士も多かった。
ひもじい生活を続けて 生き恥を晒すくらいなら と切腹をしようにも
(作法に則った儀式をするための)お金すらない……
そこで武士たちは 武家に「華々しく切腹をさせてほしい」と申し出たのだが、
「武士の情け」として受ける相手も 手間がかかるだけ。
そこで武家は「死ぬことはない もう少し頑張れ」と いくらかの金を渡す。
これで手間を省け 武士も死なずに済む。win-winの関係といえた。
そうなると今度は 貧乏武士たちはそれを見越して
はなから金を貰えると見越しての狂言切腹が 流行り始めたのだ。
……と 前置きだけで めっちゃ長くなってしまった。
とにかく後味が悪い話で ついでに痛々しいです。

『グッド・ネイバー』(2016年)
アメリカの高校生の二人組が「炎上ネタで注目されたい」と
近所にいる偏屈な老人の家にイタズラを仕掛け ドッキリを撮影する。
老人をからかう様子が すでに気分悪いのですが、
仕掛けたイタズラに対する老人の反応がおかしく 奇行といえるものだった。
老人は毎夜 仕掛けた盗撮カメラで映らない地下室にこもり 何かしている。
「死体でも隠してるんじゃね?」と ふたりは深夜に侵入するが、
老人に見つかったと思った直後 目の前で銃で頭を撃ちぬき 死んでしまった……
(オチ)
老人は実際に偏屈者であり 唯一愛してくれ 先立たれた妻にだけ 心を許していた。
老人ホームを薦められても 妻と暮らした家にいたいからと断るほどだった。
そして少年たちが仕掛けたイタズラは 偶然にも妻との想い出に触れるものだった。
老人は「妻が自分を呼んでいるのか……?」と 感じてしまっていたのだ。
そしてついに老人は「分かった、お前の元に行くよ」とばかりに 自殺してしまった。
というわけで この映画は「そうだったのね」という種明かしがあると同時に、
ところどころで 法廷シーンが挿入される という構成も巧みなんですね。
実際に 終盤まで老人の行動が あやしく描写されているため
「本当に殺人鬼で 少年たちが事件に巻き込まれたのか?」
「それとも 少年たちがやり過ぎて 事件になったか?」どちらか分からず注目するわけ。
そして最後 裁判の結果が出たあと 報道陣の前にさらされる少年二人組。
さすがに反省したか……?と思いきや 不敵な笑みを浮かべる。
そう 当初の「炎上してでも注目されたい」という目的が 達成されたからだ。
老人にとってはもしかしたら 良かったかもしれないけど 胸糞悪いオチじゃろ……
