発表されたのは2013年頃でしたっけ。
「これは国内からも期待のオープンワールド出るかな!?」というのが当初の印象でした。
それから幾度にも分けてトレイラー、プレイデモが公開されるごとに
「遊びごたえありそー」「内容も凄惨ですんげえ……」と期待値がぐんぐん高まっていきました。
発売日までがこれほど待ち遠しく、待つ間も新情報が出るたびに考察をしたりして
楽しめたゲームはひさしぶりじゃないでしょうか。


ゲーム内容は期待通り、いや期待以上で一気呵成に50時間あまりプレイしてしまいました。
「自由潜入」を謳っていた本作ですが、「準備(携行品、バディ選択)」「手順(潜入経路、時間)」の
全てがプレイヤーに委ねられていて、まさにリアルタイム自由潜入。
ミッションの内容も様々なもので、状況に変化に応じてとっさの判断をしたり、
支援ヘリを呼んで武装を補給したり、選択肢の幅が広い。
なんていうか、一般的なゲームだと「するか、しないか」という一次元、二次元な選択肢が
このゲームだと三次元、四次元と考えられる、ちょっと大げさに云うとそんなイメージ。
大規模な基地に潜入して、監視の目を掻い潜り目的を果たして帰還できた時の達成感はかなりのもの!


これだけでも「アクション部分もステルス部分もよくできたゲーム」といえますけど、
今作ではピースウォーカーから発展した、マザーベースを大きくする要素まであり、遊びごたえ充分。
実際に基地の中を歩けるようになり、物語共々スケールの大きさを感じさせてくれます。
オンライン対戦(FOB)の場を兼ねているので、より大きく強くしようという気持ちになりますね。


ストーリー部分はネタばれしないように控えますが、
各種トレイラーはうまいことミスリードを誘っていたんだなぁという印象。
終盤少し雑になって残念なところもありますが、
どちらにしろ「復讐」「幻肢痛」「言語」をキーワードにした内容にはのめり込めました。
小島監督は常々「ゲームはインタラクティブ」と話していますが、
今作をやるとストーリー部分と遊び要素がリンクしているのが伝わります。
ゲーム中盤のとある事件、FOBによる資源の奪い合い、これらもプレイヤー的には
不便なところもありますが、「復讐の連鎖」というコンセプトの上に成り立っていますし、
プレイヤーが実際に何かを喪っていくようにも仕組まれている。
普通ならストレス要因ですけど、それも没入感を持たせる仕掛けと分かるから納得できる。
自由度が高いからこそゲームとしては難しいのは確か。GZけっこうやっていても苦戦しました。
でも、だからこそゲーマーを名乗るならぜひとも遊んでほしいですね。
特に「日本のゲーム自由度ないわー海外に負けてるわー」とか「萌えゲーばっかだわー」とか
文句云っている人たちに!w 硬派で骨太なゲームがきましたよ!
ゲームって「自分で考えて、どう攻略していくか」に楽しみがあると思うんですよ。
そういう意味では最高級のゲームと云えると思います。

発売するまでに何度も聞いたオセロットのこの「伝説を取り戻してこい」というセリフ。
かつて勢いがあったのに苦しい状況に立たされている今の日本のゲーム業界。
でも、まだ終わってない! 世界よ、これが日本のゲームだ!という挟持を感じさせます。