2024年02月18日

幻想水滸伝の想い出…

先日、幻想水滸伝の原作者であり、ディレクターと脚本を務めた村山吉隆さんが
お亡くなりになったという信じ難いニュースを聞いてショックを隠せませんでした。

以前これまで遊んできたゲーム本数を数えたことがあって、おおよそ400〜500くらいで
たくさんの思い出深いゲームに出会ってきたわけですが、
ゲームというよりは、その世界観に最ものめり込んだのが幻想水滸伝シリーズでした。

1作めとの出会いは、当時のゲーム雑誌の紹介記事ですね。
PSが出たあと3Dゲームが出始めて、ゲームの幅も広がったのか、
その可能性を探るように変わった設計のゲームが出て来た中で、
いわゆるドラクエ的なオーソドックスなRPGだったので逆に珍しいなと注目したのですね。
それでいて仲間が108人いるとかミニゲームが色々入ってるとか、
JRPGの正統進化らさも感じていました。

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それで遊んでみたら、見事にのめり込んだわけです。
いわゆるドラクエやFFは世界全体が舞台で「大ボスを倒すぞ!」という冒険感溢れるものが
多かったんですが、幻想水滸伝シリーズで舞台となるのは、
広い世界の中のあくまで一国や一地方、それも長い歴史がある中のとある戦争なんですね。
それが逆に「これはゲームだけど、世界は広がっていて、その中のひとつの事件を
体験しているに過ぎない」と思わせてくれて、スケールを感じさせてくれたわけです。
今でいうナラティブってことかもしれません。
登場人物も100人以上いるけど、空気のようなキャラはほとんどいない。
普通のRPGならクリアしてみんなハッピーエンド、冒険はこれで終わったという感じですが
このゲームの登場人物たちにとってはあくまで人生のなかの一時期でしかなく、
そもそも戦争を生き抜くことが目標でもなく、かたき討ちの相手を探す旅の中で
ただ巻き込まれただけであったりして、これからも彼らの人生は続くのだろうと
感じさせてくれる…そういう壮大さ、世界観の広がりに魅了されたわけです。

1の時点でとても面白かったんですが、2がまた凄かった。
ストーリーの完成度もそうですが、そもそもRPGってナンバリングされていても
前作と直接関係のないものが多かったんですよね。
それが幻想水滸伝2は1の3年後で隣の国の話なので、
成長した前作の人物が出てくるたび「うおおおお!」と興奮ものだったわけですよ。

それで当時は手作り感溢れるホームページを作られてたインターネット黎明期。
特定のゲームやマンガのファンが自然と集まってきて、
掲示板やチャットで語り合ったりしてたんですね。
幻水のファンサイトもちょこちょこあって、108星それぞれのファンサイトがあったのですが、
自分もそのうちひとつを運営してました。(誰のかをいうとバレるので秘密!)
なのでそのキャラが好きな人らと集まって世界観について語り合ったりとか楽しかったですねぇ。

そこまでハマったゲームなので、当然クリエイターにも興味がわいて。
当時はまだまだネットに情報も少なく、クリエイターがあまりメディアに
出ない感じだったのですが、インタビューなんかが載ってれば貪るように読んで。
村山さんがゲームショーのコナミブースでトークショーすると当日に知って
バイトを早引けして見にいったりもしましたっけ…(ひどい)

自分がゲーム業界に入るころには、3作め途中の謎の降板&コナミ退社されていたので
追いかけようもなかったのですが、ツキヨニサラバとか転生學園月光録とかマンガ原作とか
村山さんが関わったゲームが出ればチェックを続けていました。
近年の百英雄伝で本格復帰と聞いてとても楽しみにしていたところなのに…
業界にいればどこかでお近づきになれるんじゃないか…なんて
密かに思っていましたが、叶わぬ夢になってしまいました。

やっぱりゲームを作るうえでのひとつの目標でしたし、意気消沈もしましたが…
自分も開発者の端くれとして、まだまだ作り続けていかなくちゃいけませんね。
それが自分をクリエイターにさせてくれた作品と作者への恩返しかなと思います。
村山吉隆さんさんのご冥福をお祈りいたします。

la passione commuove la storia, la sabbia del tempo scorre...

posted by ひづめ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム制作

2024年02月10日

没案紹介シリーズ・その2

前回に続いてボツ企画紹介シリーズ。

今のカザクラ風魔伝を作り始める前にいくつか案を考えていて、
前作の「P7」でシミュレーションを作ったのに1本だけというのも勿体ないと考えていて
「バトルパート(SLG)+探索パート」で何か作れないかというのがありました。

もともと最初に作った「まんけん」というタイトルが
某ペ〇ソナの戦闘要素抜き、というコンセプトだったので、
「P7のSLG要素を付け足せば完全版になるのでは?」ということですね。

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とはいえ「まんけん」はツクールXP製、「P7」はUnity製なので
合体させるにも簡単ではないのですが、ある程度素材も流用できそうだと。

流用前提なので、世界観も「まんけん(+ガールズファイト)」に関係してて
青乃や九州子が白桜町で妖怪退治する話でした。
ガールズファイトのラストで急に妖怪退治になりますが、その後始末ですね。
仮タイトルは「学園マガトキ」。
ペ〇ソナのように昼、夕方は学校や町で探索してパラメータを上げ、
夜は戦闘でシミュレーションで妖怪退治、というゲームサイクルでした。
なんでこれにしなかったかというと、結局なんだかんだで新規素材が
色々必要になりそうで、それなら新作のほうがいいかな…?って感じでした。
没案というか、機会があればやりたいのですけどね。
 
posted by ひづめ at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム制作

2023年12月19日

『Enfant Terrible』の続編構想案…

10年以上前に出したビジュアルノベル『Enfant Terrible』。
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異能を持った"恐るべき子供たち"が起こす事件を
ホームズオマージュの少女探偵トリッシュが解決していく話なのですが…
2話目以降出せずじまいで単発みたいになってしまったのですよね。
一応三部作で完結させるという続編構想はあったものの、もう出す機会がないので…
ここでそのプロットだけでも公開してしまおうと思いました。

言うまでもなくネタバレです。
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【アンファンテリブル・2】
ナイトメア事件(1の話)から数か月。
トリッシュは他の"恐るべき子供たち"を探していたが、進展はなかった。

そんな中、異国から来た踊り子アカシャと出会い、
彼女の幻視を見せる踊りを見て、子供たちの一人かと疑う。
探偵社を訪れたアカシャは一冊の白紙の本を渡し、
その中身を探してほしいと依頼してきた。

その頃、街を離れていたアーサーとベアトリス(1の犯人組)は
とある地方で"子供たち"のルーツを探していた。
そこで森羅万象について書かれているという
アカシックレコード』の存在を知る。

トリッシュも独自の調査で、預かった白紙の本が
アカシックレコードではないかと突き止めた。
アカシャはうなづき、トリッシュの頭に無数の知識が詰まっているのは
この本から盗まれた情報が転送されたからだ、と告げる。
その時、街に異変が……

【アンファンテリブル・3】
リンドンの街はより深い霧に覆われ、
人々から記憶が抜け落ちていくという現象が起きていた。

トリッシュはアカシャの能力(過去の幻視)によって
自分の記憶喪失の過去を思い出そうとする──

数年前のエジプト……
女王イスラマールは国宝アカシックレコードから万物の真なる言葉を
盗み出してわが物とし、神の如き存在となることを目論んでいた。
しかし、そのためには人間の身体を捨てなければならない。
女王は高位の精霊と交信し、自らの肉体と地位を明け渡し
その対価として精神体へ昇華させる交渉を行った。
しかし実際には自身の身体は隠し、身代わりを差し出すつもりであった。
そうして連れて凍られた奴隷の娘が、トリッシュであったのだ。

しかしその目論みは、儀式の直前に精霊に知られて怒りを買い、
女王の精神は肉体から追い出され、暴走した儀式の結果
トリッシュにはアカシックレコードの情報だけが流れ込んだ。
それらの情報と対になるはずの真なる言葉は世界中に飛散してしまい、
まだ知識の少ない「子供たち」の中に入り込み、
それらが異能として発現するようになったのだった。

精神だけの存在となった女王は人々の身体に乗り移りながら
アーサーら子供たちの能力を吸収し、トリッシュの持つ無数の知識を奪うべく迫る。
トリッシュとアカシャは女王を止めるため、対決に向かう……
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…というお話になる予定でした。
誰か続編作ってもいいよ(笑)
 
posted by ひづめ at 04:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム制作

2023年01月08日

あけましておめでとうございます

今年は 今年こそは さすがに完成させたい……!
順調にいけば 春頃に体験版が出せるのではないか……そういう見込みです。
現状は 忍評定という作戦パートが ある程度動くようになった感じでありんす。
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あ うちはもうイベント参加を諦めるようにしていまして
なので 次回作以降はパッケージを作らず直にDL版で出す形になると思います。
どうせDLでしか出さないなら できればsteamに出したいところですが……
なんなら 過去の作品もsteamに出したいものですが
古すぎてそのままじゃ出せないのが むつかしいところ。
 
posted by ひづめ at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム制作

2020年10月12日

「信じる道ならば進むのでしょう。それは、人の性なのですから。」

ゲーマーであったり、ゲームクリエイターであるなら、
大きな影響を受けたゲームが何かしらあるのではないかと思います。
自分も好きなゲームは多々ありますが、影響を受けたという意味では
自分の中で一番大きいのが『幻想水滸伝』シリーズ。

1作目の当時はもう20年以上前、ゲーム雑誌で紹介されているのを目にしまして。
まだ三国志とか武侠小説、カンフー映画もあまり見ていなかったので
世界観の独特さや(中世ファンタジーJRPGが溢れていた時代)
登場人物の多さに興味を持った感じでした。
そして遊んでみて「これまでのRPGと違う……!」と、
すっかり魅了されてしまったわけですね。

100人以上の登場人物が織りなす物語。
普通のRPGだと、主人公PTにサブキャラや敵キャラが絡んでくる程度ですが
多くの人物が様々な位置で絡み合う群像劇。
いわゆる冒険ものが多かったなかで、それぞれが一つの戦の中で
目的を遂げようとしたり協力し合って、その思惑も様々。
まだ当たり前でなかった顔グラフィックがついているのも
没入感、思い入れを十分に高めてくれましたし。
ほとんどのRPGが世界全体を冒険するのが当たり前だった時代に、
あくまで広い世界の中一国、その中のひとつの戦争、という設定も
世界観の広がりを感じさせてくれたものです。

そんなわけで、作風というかゲーム作る際の世界観やお話作りには
大きな影響を受けていて、自分的にはいつも幻水から受けたものを
表現できるように心がけているとかいないとか。

と、この調子で書いていると幻水の話だけで終わってしまいそうですが
本題に入るまで、もうちょっとだけ続くんですよ。

このシリーズのドラマティックな物語展開は2で更にもりあがり、
後にも先にもゲームのお話にここまで前のめりにのめり込んだのは初めてでした。
これまた当時はめずらしかった、「2といいつつ完全新作」ではなくて
「前作の3年後」という設定がまた良いのですね。
前作のキャラが成長して出てきたり、相変わらずの調子だったり…
「誰がどう絡んでくるんだ?」と常にドキドキさせてくれるわけです。

3も賛否両論な雰囲気ですが、シリーズの流れを汲んでいて自分は好きです。
1から見てきた人物たちが敵になり、戦う立場になったり……熱いですね。
ですが、ゲーム内容よりも内部事情に不穏な空気が見えてきたんですよね。

というのも、3発売後にディレクターである村山吉隆さんが退社してしまったのです。
(ここでようやっと本題に)
村山さんは1の幻水を立ち上げ、ディレクション、シナリオ、メインプログラムを担当。
2、3でもディレクションとシナリオを担当。いわゆる原作者です。
これだけ影響を受けた作品の制作者となると、もう当然リスペクトしてたわけです。
TGSでトークショーに出ると前日に聞いて、バイト休んであわてて見に行ったりしたくらい。

さて、そのシリーズ生みの親が、どうやら3の製作途中で外れていたらしい……
これはどうも普通ではない。しかし当時はまだネットの情報も少なく、情報が分からない。
(今でこそゲームクリエイターは当たり前のように露出しますが
 当時はせいぜい雑誌や攻略本に顔が出るくらい)
その後の動向がほとんど分からず、「ツキヨニサラバ」や「転生學園月光録」、
漫画の原作に関わったあたりで音沙汰なくなってきたんですね。
ブルームーンスタジオという会社を立ち上げていたので
ブクマしてちょくちょく見に行っていましたが、全然更新されず……

「村山さんは元気にしているんだろうか。今でもどこかで何か作っているのかな……」

そんなふうに思いながら数年の時が流れて、先日のこと……
まったく唐突に、新しい情報が飛び込んできたのでした。

「幻想水滸伝」シリーズのキーメンバーによる新作JRPG『百英雄伝』が発表

!???!!?

いや、本当にびっくりしました。
この10数年沈黙してきた(ように見える)あの村山さんが表舞台に!
しかもtwitterアカウントまであるんですよ。
ふぇぇ……あの村山さんの生の発言が……

生きていて良かったと、ひとりで勝手に感動してしまいました。
同時に、村山さんがこの業界でまだがんばっているなら
自分もまだまだがんばらないといけない、と思ったわけです。
10年、20年後、何がおこるか分からない……
考えてみれば、この展開が幻想水滸伝の物語のようではありませんか。
 
posted by ひづめ at 04:26| Comment(0) | ゲーム制作

2020年01月21日

2020年になってた

さすがに今年からは動かないとまずいか、ということで
ぼちぼちっと新作制作のために動き出しています。

今の時点で云えますのは……
○ガールズファイトみたいにSLG系だけど育成より運営系
○同じように多めにキャラが出るけど、全員扱える系
○中世日本の話
というところでしょうか。
まんけん、ガールズファイトの関係者が何人か登場予定です。

スタッフ募集していますので、↓記事からどうぞですよ。
posted by ひづめ at 02:10| Comment(0) | ゲーム制作