お亡くなりになったという信じ難いニュースを聞いてショックを隠せませんでした。
【訃報】
— 百英雄伝【日本語公式】 (@Eiyuden_JP) February 14, 2024
世界中の多くのファンに愛され『百英雄伝』のプロジェクトリーダーである村山吉隆氏が、2月6日に永眠いたしました。ここに謹んでご通知申し上げます。
急逝の報に接し、悲しみにたえませんが『百英雄伝』を皆様にお届けすることに尽力いたします。https://t.co/sZV30FCfve pic.twitter.com/aK73rQnZ9s
以前これまで遊んできたゲーム本数を数えたことがあって、おおよそ400〜500くらいで
たくさんの思い出深いゲームに出会ってきたわけですが、
ゲームというよりは、その世界観に最ものめり込んだのが幻想水滸伝シリーズでした。
1作めとの出会いは、当時のゲーム雑誌の紹介記事ですね。
PSが出たあと3Dゲームが出始めて、ゲームの幅も広がったのか、
その可能性を探るように変わった設計のゲームが出て来た中で、
いわゆるドラクエ的なオーソドックスなRPGだったので逆に珍しいなと注目したのですね。
それでいて仲間が108人いるとかミニゲームが色々入ってるとか、
JRPGの正統進化らさも感じていました。

それで遊んでみたら、見事にのめり込んだわけです。
いわゆるドラクエやFFは世界全体が舞台で「大ボスを倒すぞ!」という冒険感溢れるものが
多かったんですが、幻想水滸伝シリーズで舞台となるのは、
広い世界の中のあくまで一国や一地方、それも長い歴史がある中のとある戦争なんですね。
それが逆に「これはゲームだけど、世界は広がっていて、その中のひとつの事件を
体験しているに過ぎない」と思わせてくれて、スケールを感じさせてくれたわけです。
今でいうナラティブってことかもしれません。
登場人物も100人以上いるけど、空気のようなキャラはほとんどいない。
普通のRPGならクリアしてみんなハッピーエンド、冒険はこれで終わったという感じですが
このゲームの登場人物たちにとってはあくまで人生のなかの一時期でしかなく、
そもそも戦争を生き抜くことが目標でもなく、かたき討ちの相手を探す旅の中で
ただ巻き込まれただけであったりして、これからも彼らの人生は続くのだろうと
感じさせてくれる…そういう壮大さ、世界観の広がりに魅了されたわけです。
1の時点でとても面白かったんですが、2がまた凄かった。
ストーリーの完成度もそうですが、そもそもRPGってナンバリングされていても
前作と直接関係のないものが多かったんですよね。
それが幻想水滸伝2は1の3年後で隣の国の話なので、
成長した前作の人物が出てくるたび「うおおおお!」と興奮ものだったわけですよ。
それで当時は手作り感溢れるホームページを作られてたインターネット黎明期。
特定のゲームやマンガのファンが自然と集まってきて、
掲示板やチャットで語り合ったりしてたんですね。
幻水のファンサイトもちょこちょこあって、108星それぞれのファンサイトがあったのですが、
自分もそのうちひとつを運営してました。(誰のかをいうとバレるので秘密!)
なのでそのキャラが好きな人らと集まって世界観について語り合ったりとか楽しかったですねぇ。
そこまでハマったゲームなので、当然クリエイターにも興味がわいて。
当時はまだまだネットに情報も少なく、クリエイターがあまりメディアに
出ない感じだったのですが、インタビューなんかが載ってれば貪るように読んで。
村山さんがゲームショーのコナミブースでトークショーすると当日に知って
バイトを早引けして見にいったりもしましたっけ…(ひどい)
自分がゲーム業界に入るころには、3作め途中の謎の降板&コナミ退社されていたので
追いかけようもなかったのですが、ツキヨニサラバとか転生學園月光録とかマンガ原作とか
村山さんが関わったゲームが出ればチェックを続けていました。
近年の百英雄伝で本格復帰と聞いてとても楽しみにしていたところなのに…
業界にいればどこかでお近づきになれるんじゃないか…なんて
密かに思っていましたが、叶わぬ夢になってしまいました。
やっぱりゲームを作るうえでのひとつの目標でしたし、意気消沈もしましたが…
自分も開発者の端くれとして、まだまだ作り続けていかなくちゃいけませんね。
それが自分をクリエイターにさせてくれた作品と作者への恩返しかなと思います。
村山吉隆さんさんのご冥福をお祈りいたします。
la passione commuove la storia, la sabbia del tempo scorre...